アラン・ウィンチェスター
Q&A

40年以上にわたる技術研鑽の結果、マスター・ディスティラーのアラン・ウインチェスターにはウイスキーの伝統が染みついています。この業界に関する彼の考えを聞かせていただきました...

マスター・ディスティラーとして、アラン・ウインチェスターは、ザ・グレンリベットの蒸留最高責任者です。彼の仕事は、ジョージ・スミスが遠い昔に始めたレガシー、つまり、「このウイスキーは常に最高の品質を持ち、すべての新しい製品はこのスピリッツの特性と深みを反映するものであること」を確実に継続させることです。途方もなく大きな責任ですが、大きな誇りを持って取り組んでいます。

どうすればマスター・ディスティラーになれますか?

「私の場合、サマー・ジョブが始まりでした。色々なことがあって私のキャリアとなりました。大学の学位でなった人達もいますが、決まったルートがある訳ではありません。しかし、将来のマスター・ディスティラーに期待する最も重要なことは、情熱です。若くて高度な蒸留技術者に敬意を表すことです。彼らはウイスキーを作る情熱を持っています。それは素晴らしいことです。情熱を持って、あなたのブランドを作ってください。」

あなたが今直面している最大のチャレンジは何ですか?

「スコットランド人はチャレンジが好きです。ザ・グレンリベットでの私の最大のチャレンジは、いつでも同じで、スタイルの一貫性を保証することです。また、私達は、お客様のニーズと期待に応えなければなりません。重要なことは、現状に満足しないで、ザ・グレンリベットが品質と品揃えに対する試練に確実に応えていくことです。」

ウイスキーの世界で次の大きな出来事は何だとお考えですか?

「ザ・グレンリベットは常にフレッシュでフルーティなスタイルを採り入れ、それに忠実に向き合うようにしてきました。一方で、トレンドが何であるかも注目しています。私はトレンドを見つけることは得意ではありません。あらゆる種類の物事に心をオープンにしておかなければなりません。中国人が飲むように、ウイスキーと緑茶を一緒に飲むことが、そんなに素晴らしい組み合わせだと考えることはなかったでしょう。」

ウイスキーのブランディングへのフォーカスが近年増加しています。特にボトルとボックスのデザインで目立ちます。ザ・グレンリベットはこれを採り入れますか?

「はい。数年前から、ザ・グレンリベット18年は中核であったクラシックなグリーンのボトルをやめて透明のボトルにしています。これは大きな変化です。また、ウインチェスター・コレクション – ヴィンテージ1964用に、びっくりさせるような手作りのボトルとボックスを作りました。極めてスキルの高い人達と協力することで、素晴らしいウイスキーにふさわしい、本当に美しいものを作り出したと思っています。」

日本のウイスキーの台頭について、どうお考えになりますか?

「私達がいただける最大の褒め言葉は、日本の機器のいくつかがザ・グレンリベットのポット・スチル(単式蒸留器)の形を模倣しているということです。日本人はスコッチ・ウイスキー産業を、他のどの産業よりも大きな度合いで模倣しました。」

ウイスキー市場としてのインドの出現についてはどうですか?

「インドはウイスキーの巨大市場です。国産品でも輸入品でも、インドは自国で蒸留する伝統も持っています。しかし、彼らが飲んでいるウイスキーの多くは依然として伝統的なスコッチ・ウイスキーのスタイルのものです。これは、ザ・グレンリベットにとってグッド・ニュースです。」

今後40年間にスコッチ産業に最も大きな影響を与えるものは何だと思いますか?

「お客様です。ウイスキーを、お客様が求め、飲み続け、愉しみ続けるなら、それが影響力です。私たちが、その期待に応えられるようにしたいと思います。」